それは、そうと紹介した死の場面のソプラノ、みんな美人だったでしょう。
最近、写真家が、舞台を離れた美人ソプラノの写真集を作るのが流行っています。私の知る範囲で、そういう写真集が出ているのは、死の場面で登場した soprano/mezzo soprano では、Netrebko, Galanca の2人です。オペラの場面では紹介しなかった soprano では、NY 生まれで MET の女王である Rene Flemming とドイツはバイエルン生まれの Annette Dasch です。
それぞれの写真集から、一枚づづ紹介します。ここに名前を挙げた順です。どうです、映画女優も顔負けでしょう。顔だけでなく、スタイルも抜群なのです。
例外はありました。Maria Callas は、めちゃくちゃ太っていましたが、ある日自分の姿を鏡でみて、あまりの醜さにビックリして、ウソか本当かしりませんが、回虫を飲んで、痩せて、最後には「メディア」という映画に主演するほどの、美女になりました。そして、ギリシアの海運王 Aristotle Onassis に求婚されて、前夫と離婚して、再婚しましたが、今度は、Onasis が、Kennedy 大統領が暗殺されて、未亡人になった Jacqueline に目をつけて、結局すてられました。という話はご存知でしたか?
当時世界のオペラファンの間では、Renata Tebaldi と Maria Callas が、soprano の人気を二分していました。その Tebaldi が、1961年に初来日し、Tosca を歌ったときのことです。第二幕の有名なアリア Vissi d’arte, vissi d’amore (歌に生き、愛に生き)を歌った後、拍手が鳴り止まず、確か10分くらい続いたはずです。そして、熱狂した観客が「ブラボー、ブラボー」と絶叫しました。別に不思議はないでしょう?
ところが、公演の後、Tebaldi が、「私長年舞台で歌っていて、bravo と言われたの初めてですわ」と、不満そうに言ったのか、冗談で言ったのか、わかりませんが、とにかくそう言ったそうです。そして、「私があまり大きくて女に見えなかったのかしら」と付け加えてという話です。
この話のミソは、知っている人にはよく分かるでしょう。つまり、イタリア語は、他のロマンス系のフランス語やスペイン語と同じく、形容詞には、男性形、女性形、複数形があります。Bravo, Brava, Bravi となるのです。
Tebaldi は、soprano でもちろん女性ですから、欧米では、必ず Brava! と叫びます。それが、日本に来たら、Bravo! と言われたので、やはり多分頭に来たとおもいますよ。
オペラには、一人で歌うアリアだけでなく、tenor と soprano, bariton と soprano などの男性歌手と女性歌手の二重唱があります。それが終わった時に、Bravo! と言ったら、女性歌手は、怒って退場してしまうかもしれませんよ。そういう場合は、お世辞でも Bravi! というものです。
なぜ、このところ西欧のオペラ界に、こんなに美人 soprano が出てきたか、今日はそこまでお話するつもりでしたが、Callas と Tebaldi で脱線しましたので、続きは今度です。
Bravo, Brava, Bravi の区別は、くれぐれも忘れないでくださいよ。そして、私の blog には、ぜひ、Bravo! を。
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