前回までの「列車の旅」「クルーズの旅」 ヨーロッパを主とした外国ばかりでした。Armchair traveller としては、海外旅行ばかりしているわけでなく、国内旅行もよくします。それも今回は、乗り物に乗らず、てくてく歩く旅です。
列車に乗って車窓から眺めていると、狭い日本でも、人里はなれたような鄙びた村落や、こじんまりとした集落を通り過ぎることがあります。日本の原風景という趣です。あっという間に通り過ぎてしまいますが、そんな時、ああいう所をのんびり歩いてみたいものだな、と思うのは私だけでしょうか。そういう人が多いからでしょうか。NHK では、2005年から、「街道てくてく旅」というシリーズを始めました。2,011年までに、毎年、計11シリーズが放送されました。NHK ワールドを通じて海外でも放送され、かっての故郷や、まだ見ぬ先祖の故郷の様子に郷愁をそそられた人が多かったようです。
Wiki には、直近の2011年以外の10回分の詳しい日程や、てくてく歩いた旅人のやや詳しい紹介も載っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/街道てくてく旅
とりあえず、簡単に紹介します。
第1回 2005年11月岩崎恭子「四国・琴平→松山」。
第2回 2006年4月岩本輝雄(サッカー選手)「東海道」
第3回 2006年7月谷川真理、俳人松尾芭蕉が奥の細道で歩いた石川県内の道」
第4回 2006年秋。勅使川原郁恵「中山道」
第5回 2007年4月。勅使川原郁恵「甲州街道」
第6回 2007年9月。四元奈生美「奥州街道」
第7,8回 2008年四元奈生美「四国八十八か所」
第9,10回 2009年原田早穂「山陽道」
第11回 2010年森上亜希子「熊野古道
旅人は、いずれも少し前に現役を退いた、いろいろな分野の athlete たちです。Armchair traveller 人種のように、ぶらぶら歩くのでなく、毎日毎日、江戸時代の旅人のように、上記各街道を目的地にむかって、てくてく歩かなければなりませんから、現代の足腰のなえた常人ではだめで、スポーツで鍛えた athlete が起用されたのでした。顔ぶれをみますと、男性は、第二回の岩本輝雄だけで、他は全員若い女性ですね。
彼女たち、ただ歩くだけでなく、道すがら?という可、街道を通りゆく先々で、放送で知って、歓待してくれる地元の人々とのあたたかい交わりがあります。ドラマでは見られない、演技のない人々の表情や振る舞いこそ、tele で vision するのに、ふさわしいものです。日本ですから、自分もいったことのある土地の人たちですと、なつかしくなります。それに案外気がつきませんが、海外取材の番組でも、普通の人が一杯出てきますが、何をしゃべっているか、字幕でわかるだけですが、日本の人々は、日本語で話しますので、何だか知り合いになった感じがします。
こういうことがありました。NHKの別の番組に「こんな素敵は日本があった」があります。私は、さつま芋の切干が好きで、シーズンには、いつもJA で買っているのです。その産地が、ひたちなか市でした。今年の2月頃だったと思います。その番組でひたちなか市が取り上げられることを知り、これは私の録画レパートリーではないのですが、見逃さないように録画予約をして、後から見ました。そこで、ああいう人たちが、いつも食べているさつま芋の切干をああやって作っているのだな、と親しみを感じました。いつか、行ってみたいな、とも思いました。そうしたら、あの3.11です。ひたちなか市も被害を受けました。あの切干し干し場やさつま芋畑はどうなったろうか、あの農家の人たちはぶじだろうか、と親戚でも知り合いでもないのに気になりました。そこで、切干しの包装袋に生産者の電話番号があるのを見つけ電話をしたんですよ。ただいま留守にしています、ということで通じませんでしたが、いままた思い出して、どうなっているか心配になりました。今年の冬は切干はたべられるだろうか、と。
テレビでみる遠くの人は、昔は小さな画面で、ぼやけていることも多かったですが、HD の大画面で、ほぼ実物大でみていると、実際にあっているような錯覚になりますね。
「てくてく旅」シリーズは、足腰衰えた armchair traveller でも、athlete の旅人が代わりに行ってくれるので、遠くの人々と、お知り合いになり、「世は情け」を感じさせてくれます。このシリーズ、on demand で全部見られるはずです。どうぞ、皆さんもてくてく、日本の街道を歩いて、各地の人々と交わったらどうですか。
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