2010年5月31日月曜日

オペラは快楽

5月31日の日経夕刊。最後のページの「夕刊文化」のコラム「こころの玉手箱」の第一回に大原美術館理事長の大原憲一郎氏が寄稿してみえる。題して「芸術は快楽、名人芸に熱中」。
氏の少年時代、家にはいつも音楽が鳴り響いていたという。その音楽は、ドイツ系の大曲が多く、夕食時にもマーラーやブルックナーが定番だったそうだ。
氏は1940年生まれというから、少年時代は、1950年代。マーラーやブルックナーが日本でポピュラーになったのは、1960年代にはいってだから、父君の音楽観もたいしたもの。
その氏が、エール大学大学院へ留学して、NY のメトロポリタンオペラ劇場で、サザーランドの「ルチア」を初めて聴いて(観て)衝撃を受けたという。魂を抜かれる思いだった、ともいう。
その時、「音楽は快楽」と、実感されたそうだ。

私のオペラ体験は、1955年の大学一年生の時。県人寮で同室だった東京芸大油絵科の友人がNHKの第二次イタリアオペラ団の『アイダー』に、エキストラで奴隷として出演?し、俺が出ているから観てくれ、というのを、蕎麦屋の白黒テレビで見たのが最初。14インチの白黒テレビの貧弱な音と、蕎麦屋の環境では、その時は、「オペラは快楽」とは、感じなかった。しかし、オペラは面白いと思った。第三次イタリアオペラ来日時は、大学4年生。実演を見に行きたくても金がなかった。やはり、白黒テレビ観劇。「オペラは快楽」には、程遠かった。
1961年、大学院時代だったが、その前二年間教員生活をしていたので、多少蓄えがあった。念願かなって、初めてオペラをナマでみた。
今や伝説になっている、デル・モナコとテバルディが共演した『アンドレア・シェニエ』と、アルド・プロッティの『リゴレット』。その時、初めて、「オペラは快楽」と実感した。人からオペラの何が面白い、と問われる時、生理的快感だ、といつも答えていた。
脳天を突き抜けるような高音だけでなく、心のひだに染み入るようなピアニッシモ。ぞくぞくしますね。

だから、今回の大原氏の記事を読んで、全く共感。ブログに書きたくなった。

ついでに、オペラについてもっと書きたくなった。一旦休憩して、また書こう。

2010年5月3日月曜日

個独のブログ

今日の「中日新聞」第一面下の本の広告欄に、『個独のブログ』という本があった。


去年3月、21歳で急逝した彼のブログには、「夢見て耕せ」とあった。夢は国際弁護士だった

という。

独力で開発した英語学習法、オバマ演説読解は圧巻。
だそうだ。

中日新聞3月17日夕刊で大々的に紹介され、この名大生の軌跡に注目集中!
という

彼の生前には、彼のブログの読者は少なかったのかな。だけど、「孤独」ではなく、「個」として「独」立した生き方・意見をブログに書いていたのだろうか。

私のブログも、後の二つも含めて、「個独のブログ」といえるだろう。
いつの日か、生きてるうちか、死後かに、日を見ることもあることを、「夢見て耕して」いるわけだ。

念のため、他の二つのブログのURL とタイトルは次の通りです。
http://76871734.at.webry.info/ 英語学習もろもろ
http://sfujikake.blogspot.com/ テレビ見るバカ、見ないバカ