2011年7月27日水曜日

東欧は、美人歌手の宝庫。なぜ?

  今回は、なぜ、このところ西欧のオペラ界に、こんなに美人 soprano が出てきたか、のお話です。
昔は、特に日本では、オペラは見るものではなく聴くものでした。LP レコードの時代になって、オペラ全曲盤が出るようになりました。それが CD にも受け継がれました。FM 放送が始まると、毎週日曜日に FM オペラアワーが出来て、長時間のオペラも放送されました。LP や CD を買うとオペラ台本の日本語訳がついてくるので、それを読みながらオペラを聴くわけです。
レコードですから、歌手の顔は見えません。解説書に写真が載っていますが、美人に見えるように写してありますので、オペラ歌手は、美男美女だと思っていた人も多かったですね。その頃のオペラ歌手は、とにかく声がいいことが第一条件でした。歌手ですから、当然ですが。
オペラ劇場では、顔の見分けがつくような上等な席で見れられる人は限られていて、殆どの人は遠めにしか見えないです。
「夜目遠目傘の内」と言いますが、女性が美しく見える場合のことです。オペラ劇場で「遠目」でみれば、みんな美人に見えたかもしれません。
そこへ、日本の Pioneer が Laser Disk を開発して、その販売戦略として、特にアメリカ市場を狙って、メトロポリタンオペラの上演を録画して、販売しました。日本でも発売されて、私が「レコード芸術」誌推薦版を片っ端から買ったという話は前にしました。その時に、coloratura soprano として、メトで名声を誇っていて、レコードでその美声を聴いていた歌手の舞台を始めてみました。
カメラが遠めで写しているときは、別になんとも思いませんでした。Cameraman というものは、photographer もそうですが、zooming up が好きです。また、その頃の video camera は、まだ性能が、今の HD に比べたら画像の鮮明さが落ちます。それを補うためには、zooming up で、いわゆる「アップの画像」をとりたがります。そうすると、どうなるか、今で覚えていますが、あえて名前は出しませんが、その美声の歌手が「遠目」から、アップで顔が大写しになったとき、げーとしましたね。私は二度とその LD は見ませんでした。今調べたら、その LD、DVD になって今でも出ています。
その他、台本では絶世の美人となっているのに、有名な黒人ソプラノが主演している舞台も、LD で見たら、すごい違和感があって、これも二度とみませんでした。
LD は、全曲盤ですと、一万円以上しましたし、player も高かったので、結局あまり普及しませんでした。オペラの LD を買った人は、私のオペラ狂の友人もそうでしたが、オペラが好きで、見たくてたまらない人たちだったでしょう。そういう人は、オペラ歌手の顔など、どうでもよかった人が多かったようです。それとも、目をつぶって聴いていたかも。
DVD が普及し、player も一万円を切る頃になると、DVD のオペラ全曲が、各種出回り始めました。普通の2時間もののオペラですと、3,000 円くらいで買えます。全集などにして、一曲 2,000円以下のものも出回っています。
最初の頃は、録画されるのは、メトを初め、欧米の主要劇場の上演が主でしたが、イタリアの地方都市の歌劇場でも有名歌手が出演したものを、その劇場なり、映像会社が収録して販売するようになりました。
そうすると、当然売れる見込みの多いものを映像化します。映像化するか、どうか、は、演出者が決めるのではないのです。オペラの DVD 制作・販売会社の社長なり、担当者が決めるのです。
と、すれば、当然、美人歌手の出演したものの映像化を優先するでしょう。
簡単に言えば、そういうことで、演出家というより、映像会社の要求で、美人歌手の出演が望まれたわけです。
その時に、ぞくぞく現われたのが、東欧出身のソプラノ歌手だったのです。前回、前々回に美人歌手を紹介した時、出身国も挙げておきましたね。その時に気がつきませんでしたか。
Nebrebko はロシア、Gheorghiu はルーマニア、Galanca はラトビア、Machaidze はグルジアです。
ちょっと上の世代にも、東欧出身の人気歌手が大勢います。必ずしも、この4人ほどの美人ではないですが、不美人ではないです。
Raina Kabaivanska ブルガリア(この人は美人歌手と言われ、日本でも人気があります。美人好みのカラヤンがオペラ映画トスカに起用しています。
Maria Guleghina ウクライナ、Edita Gruberova スロヴァキア、Eva Malton ハンガリー、Lucia Popp スロヴァキア
今顔を思い浮かべると、それなりに美人ですね。
忘れたならないのは、これらの歌手は、みんな美声で、歌がすばらしいです。
では、なぜ、東欧から、こんなに多くの、天が二物を与えた女性歌手が出てきたか、と当然思うでしょう。なぜでしょうね。
私の考えを次回に述べてみたいと思います。

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