2011年7月22日金曜日

私の名刺 Armchair Theater Goer の巻 美しきソプラノの死。

前回は、蝶々夫人の最後の自決の場面が、演出によって、どのように違うか、五つの演出から caputure した画面で見みてもらいました。
今回は、いろいろなオペラで、ヒロインのソプラノが死ぬ場面を、どうやって死ぬのか説明を加えて、見てもらいましょう。
オペラのヒロインは、悲劇的な死を遂げることを期待?されているので、安楽に畳の上(は日本のことで、オペラではベッドです)で、死ぬことは滅多にありません。ベッドで死ぬのは、病気で死ぬ場合です。昔ですと「死の病」の結核の長患いで、死ぬケースが普通です。
それも、やっと恋人と再会して、これから幸せになろうというときに、寿命が尽きてしまうのです。そういう運命なのです。
最初は、Puccini の La Boheme の Mimi です。この場面は、既に死んだ後に、恋人の Rodolfo が泣いて抱きついている場面です。
  Mimi は、ルーマニア出身の美人 Angela Gheorghiu です。やはり美女でないと、悲劇性が出ません。
その Gheorghiu が、La Traviata の Violetta でも、やはり結核の長患いの末、やっと再開できた恋人の Alfredo の腕の中で息絶える場面です。Tenor は、どちらも Mexico 出身の Ramón Vargas です。典型的なずんぐりむっくりの tenor です。
  次は、Torino Winter Olympics で荒川静香さんが滑ったアリアのある Puccini の Turandot で、あのアリアの後、女奴隷 Liu が、慕う王子 Calaf の身分を明かさないために、自ら短刀で自害する場面です。Liu の死という、このオペラのひとつの highlight です。Soprano は、アメリカ出身のLeona Mitchell. それほど有名ではありませんが、私の好きな soprano です。

次は有名な Carmen の最後です。Carmen が Don José に刺された直後の表情です。本当に刺された感じですね。Soprano は、ラトヴィア出身の Elina Garanca. これはメトの公演で、彼女は、この30年間の最高の Carmen という評判をとりました。Tenor は、スペイン出身の Roberto Alagna. 彼は、この公演の前に、Gheorghiu に離婚させられていたので、余計うらぶれた感じが出たと評されていました。

次は、Rigoretto の 娘の Gilda が、自分を騙した公爵の身代わりになって、殺し屋の手にかかって、親の Rigoretto に抱かれて死ぬ場面です。Soprano は、グルジア出身の Nino Machaidze. 私の大好きな soprano です。美人というより、まだ20代で、可愛い感じです。

その Machaidze が、メキシコ出身の Rolando Villazón と共演した、Gounod の Roméo et Juliette で、最後に自分で胸を突いて、Romeo と死をともにする場面です。短刀を胸に突き刺した瞬間の場面です。

最後の二つは、ロシア出身の、これまた美人 soprano の Anna Netrebko の死の場面です。
上の画像は、Roland Villazon と饗宴した、Massenet の Manon の、最後の Manon の死の場面です。愛する Des Grieux の腕の中で最後の息を引き取る場面です。

下の画像は、Donizetti の Lucia di Lammermoor で、兄から強制された結婚の相手を、新婚の床で殺して、気がふれた Lucia が、有名な「狂乱の場」の長いアリアを歌ったあと倒れた場面です。彼女はこの後、間もなく息を引き取ります。

こうして、集めてみますと、みんな見事な死に様ですね。こういう迫真の演技が見えるのも armchair theater goer ならばこそです、
どうですか。皆さんも armchair theater goer になって、佳人薄命、美女が死ぬ、しかも、死ぬ間際まで、劇場の隅々まで響く声で歌を歌って死ぬ場面を沢山見てみたい、と思いませんか。それも、アップで。

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