
昨日から、歌舞伎の話をしています。
オペラが好きになるには、作品よりも、好きな歌手が出来ることが決め手になるように、歌舞伎も演目より、好きな役者ができることが早道です。少なくとも素人には。
私の場合は、東京の歌舞伎座で見た先代市川団十郎でした。今の団十郎は、なぜかあまり好きではないですが、この前先代団十郎の「勧進帳」を見て、その声がそっくりなのにビックリしました。顔つきはずいぶん違うという印象を持っていたのに、これもそっくりのように見えて来ました。
親子そっくりといえば、先代片岡仁左衛門と今の仁左衛門は、あまり似てないと思っていました。素顔の現仁左衛門は、先代とあまり似てませんが、最近の舞台を見ていると、舞台上では、先代と風貌がそっくりに見えることがあって驚かされます。
現仁左衛門は、先代仁左衛門の三人の息子のうちの一番下の3人目で、私の目からは、長男の片岡我童が、体つきから顔つきまで一番似ていると思ってました。ついでに言えば、次兄は片岡秀太郎で、女形です。
昨年12月京都南座で、先代仁左衛門の17回忌に、先代を偲んで上演された「伊賀超道中双六 沼津」では、久しぶりにこの三兄弟の顔合わせが実現し話題になりました。その時の舞台写真をここにはめ込んだつもりが、何故か、一番上になってしまいました。
私が現仁左衛門が好きになったのは、やはり東京の歌舞伎座で、先代団十郎の時と同じ「助六」を見た時からです。揚巻は、坂東玉三郎、当時まだ?若々しかったこの2人の組み合わせは、「孝玉コンビ」と呼ばれ、人気絶頂でした。その頃の「「孝玉コンビ」の『色彩間苅豆』 いろもようちょっとかりまめ. 通称 『かさね』が、先週衛星劇場で放送されました。この舞台写真も一番上になってしまいました。
そこで、先ほど「助六」とだけ書いたのには、次のような事情があります。
先に先代市川団十郎で「助六所縁江戸櫻」を見て、そのフアンになった、と書きました。この「助六所縁江戸櫻」は、「天保年間に七代目市川團十郎(当時五代目市川海老蔵)が市川宗家のお家芸として選定した十八番の歌舞伎演目」の中のもっとも人気のあるもので、他の家の役者が、この演目を演じる時は、遠慮?して別の名前を使う慣習になっています。
そこで、松嶋屋の片岡孝夫(後の仁左衛門)が演じる時の外題は、「助六曲輪初花櫻」になります。
また、高麗屋の松本幸四郎が演じる時は、「助六曲輪江戸櫻」となります。その他の家の時の外題は、Wiki で「助六」に出ています。
歌舞伎十八番については、Wiki に項目があります。英語版もあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/歌舞伎十八番
http://en.wikipedia.org/wiki/Kabuki_J%C5%ABhachiban
松本幸四郎も、私の大好きな役者ですが、「助六」を演じたのを見たことがありません。息子の市川染五郎が、助六をやったら、若々しくて格好いいだろうと、思っているのですが、若いうちにやってくれないかな。その時の揚巻は、今の尾上菊之助が似合いのカップルになるのでは。
「鬼兵」で有名な二代目中村吉右衛門は、松本幸四郎の弟で、若い頃は、中村萬之助を名乗っていて、母の実家の初代中村吉右衛門の養子になって、二代目になったのですが、私は、何故かあまり好きではないです。
まあ、しばらくこういう調子で、好きな役者、好きな演目について、気楽に書いていきます。
思うんですがね。英語を勉強して、国際コミュニケィションとか、グローバルコミュニケィション、英語コミュニケィションなどと言っていますね。そういう名の大学の学部・学科があります。英語でコミュニケィションをするのは、日本人同士ではないでしょう。他国の人とコミュニケィションするわけです。その時、何を話すか、というより、相手はどういうことを聞きたがるか、といえば、日本のことです。相手が、教養ある人であるほど、日本の伝統文化に興味をもっています。歌舞伎について語れないと恥をかくかもしれませんよ。
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